ケアマネ試験の受験資格【21の法定資格・5年900日の数え方・平成30年度改正】
ケアマネ試験は、誰でも受けられる試験ではありません。そして「介護の仕事を長くしている」だけでは受験できません。平成30年度からは、対象となる資格・業務がはっきりと限定されました。このページでは、対象となる21の法定資格、「通算5年以上かつ900日以上」の正しい数え方、間違えやすい算定ルール、そして実際に合格している人の職種内訳までを、公式資料から整理します。
最終更新:2026年7月29日
1結論――満たすべき条件はひとつだけ
A:定められた国家資格等(21資格)に基づく業務/B:定められた相談援助業務
「5年以上」と「900日以上」は両方を満たす必要があります。5年間在籍していても、勤務日数が900日に届かなければ受験できません。逆に、日数が900日を超えていても、期間が5年に足りなければ受験できません。
2A:対象となる21の法定資格
厚生労働省が毎年公表している「職種別合格者数」の区分は、そのまま受験資格Aの対象資格の一覧になっています。第28回の公表区分にもとづくと、次の21資格です。
| 分類 | 資格 |
|---|---|
| 医療 | 医師/歯科医師/薬剤師/保健師/助産師/看護師/准看護師 |
| リハビリ・機能 | 理学療法士/作業療法士/言語聴覚士/視能訓練士/義肢装具士 |
| 福祉 | 社会福祉士/介護福祉士/精神保健福祉士 |
| その他 | 歯科衛生士/栄養士(管理栄養士を含む)/あん摩マッサージ指圧師/はり師/きゅう師/柔道整復師 |
区分は厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」の職種別合格者数の表にもとづき、分類は当方でまとめたものです。
3B:定められた相談援助業務
資格がなくても受験できる唯一のルートが、実施要項の別表に列挙された相談援助業務です。代表的なものは次の職種です。
- 生活相談員――特別養護老人ホーム、デイサービス、ショートステイなどで、法令上その事業所に置くこととされている生活相談員として従事した期間
- 支援相談員――介護老人保健施設に置くこととされている支援相談員として従事した期間
- 相談支援専門員――障害者総合支援法・児童福祉法に基づく計画相談支援・障害児相談支援の事業所などで従事した期間
- 主任相談支援員――生活困窮者自立支援法に基づく自立相談支援事業などで従事した期間
出典:東京都福祉保健財団「東京都介護支援専門員実務研修受講試験」受験資格
4間違えやすい算定ルール4つ
① 資格の「登録日以降」しか数えられない
Aの資格で数える場合、期間の起点は資格の登録日です。資格を取る前に同じ職場で同じような業務をしていた期間は、1日も含められません。国家試験に合格していても、登録が済んでいない期間は数えられない点にも注意してください。
② パート勤務でも「1日は1日」
従事日数は、勤務時間の長短にかかわらず、1日従事すれば1日として算定します。4時間勤務でも1日です。逆にいえば、フルタイムでも週3日なら年間約150日にしかならず、900日には5年では届きません。
③ 同じ期間に複数の職場で働いていても、重複は合算できない
ダブルワークで2か所に勤めていても、同じ日は1日としてしか数えられません。「A事業所で900日、B事業所で400日だから1,300日」という数え方はできません。
④ AとBは合算できる
資格に基づく業務の期間と相談援助業務の期間は通算できます。「看護師として3年、その後に生活相談員として2年」といった経歴でも、合わせて5年900日を満たせば受験資格があります。
算定ルールの出典:東京都福祉保健財団「東京都介護支援専門員実務研修受講試験」受験資格/兵庫県「介護支援専門員実務研修受講試験」
5平成30年度改正で消えたルート
第21回(平成30年度)から、受験資格は大きく絞り込まれました。それまで認められていた「介護等の業務に従事した期間」による受験ルート――具体的には、介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)修了者や無資格の介護職員が、一定年数の実務経験で受験できる仕組み――が廃止されたのです。
この変更が数字にどう表れたかは、はっきりしています。
| 第20回(平成29年度) | 第21回(平成30年度) | 増減 | |
|---|---|---|---|
| 受験者数 | 131,560人 | 49,332人 | −62.5% |
| 合格者数 | 28,233人 | 4,990人 | −82.3% |
厚生労働省の各回の公表値。増減率は当方で算出。詳しくは合格率のページをご覧ください。
受験者の6割以上が、この改正で受験できなくなった計算になります。いま「ケアマネを目指したい」と考えている無資格の介護職の方にとって、実質的な最短ルートは「介護福祉士を取る → 登録日から5年900日」です。介護福祉士の受験自体にも実務経験3年+実務者研修などの要件があるため、逆算すると相応の年数がかかります。早めに道筋を決めておくことが、いちばんの近道になります。
6いま誰が受かっているのか――合格者の職種内訳
厚生労働省は、合格者の職種別内訳も公表しています。第28回の内訳と、第1回からの累計を並べると、改正の影響がそのまま見えます。
| 職種 | 第28回 合格者数 | 第28回 構成比 | 累計 構成比 | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 介護福祉士 | 8,310 | 64.1% | 45.7% | +18.4pt |
| 看護師、准看護師 | 2,094 | 16.2% | 23.2% | −7.0pt |
| 社会福祉士 | 857 | 6.6% | 6.5% | +0.1pt |
| 理学療法士 | 618 | 4.8% | 2.6% | +2.2pt |
| 作業療法士 | 293 | 2.3% | 1.5% | +0.8pt |
| 相談援助業務等従事者 | 242 | 1.9% | 10.3% | −8.4pt |
| 保健師 | 245 | 1.9% | 3.7% | −1.8pt |
| 柔道整復師 | 212 | 1.6% | 0.7% | +0.9pt |
| 栄養士、管理栄養士 | 198 | 1.5% | 1.9% | −0.4pt |
| あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師 | 171 | 1.3% | 1.3% | ±0.0pt |
| 歯科衛生士 | 137 | 1.1% | 1.6% | −0.5pt |
| 薬剤師 | 126 | 1.0% | 2.7% | −1.7pt |
| 精神保健福祉士 | 92 | 0.7% | 0.8% | −0.1pt |
| 言語聴覚士 | 67 | 0.5% | 0.2% | +0.3pt |
| 医師 | 30 | 0.2% | 2.0% | −1.8pt |
| 歯科医師 | 30 | 0.2% | 0.5% | −0.3pt |
| 助産師 | 27 | 0.2% | 0.3% | −0.1pt |
| 視能訓練士 | 8 | 0.1% | 0.0% | ±0.0pt |
| 義肢装具士 | 6 | 0.0% | 0.0% | ±0.0pt |
| 合計 | 13,763 | — | — | — |
出典:厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」の職種別合格者数(第28回・第1回〜第28回累計)。構成比は同資料の公表値、差(ポイント)は当方で算出。
読み取れること
- 合格者の3人に2人が介護福祉士です(64.1%)。累計の45.7%と比べて18.4ポイントも高く、いまのケアマネ試験は事実上「介護福祉士のための試験」に近づいています。
- 相談援助業務等従事者は10.3%→1.9%へ激減しました。厚生労働省の注記によれば、古い回では「相談援助業務従事者」と「介護等業務従事者」が一括して計上されていた都道府県があります。つまりこの落ち込みは、平成30年度に廃止された「介護等業務」ルートの消滅がそのまま表れたものと読めます。
- 看護師・准看護師は23.2%→16.2%へ後退しました。人数では2,094人と依然として2番手ですが、比率では介護福祉士に大きく水をあけられています。
- 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は比率を伸ばしています。リハ職の実務経験者がケアマネ資格を取る流れができつつあることがうかがえます。
7どの都道府県で受けるか――勤務地か住所地か
ケアマネ試験は都道府県が実施するため、どこでも好きな県で受けられるわけではありません。たとえば兵庫県は「兵庫県を勤務地として業務に現在従事している者、若しくは兵庫県に現住所を有する者」と定めています。勤務地か住所地のいずれかがその県にあることを条件にする県が一般的です。
8申込みに必要な証明書は「勤務先が作る書類」
受験資格を証明するのは、自己申告ではなく実務経験(見込)証明書です。これは勤務先の事業所が作成・押印する書類で、過去に在籍した事業所の分も必要になります。
- 退職済みの事業所の分も、その事業所に依頼して作成してもらう必要があります。事業所が閉鎖している場合の取り扱いは県ごとに定めがあるため、早めに窓口へ相談してください。
- 資格に基づくルートでは、資格証の写しもあわせて必要です(登録日を確認するため)。
- 申込期間は1か月程度しかありません(多くの県で6月〜7月上旬)。書類の依頼から受け取りまでの日数を逆算すると、動き出すのは4〜5月が安全です。
9受験資格を満たしたら――問題集アプリ「ケアマネトール」
受験資格の確認が済んだら、次は中身の対策です。ケアマネトールは、この試験の「2分野それぞれで基準を超える」構造にあわせて作った、個人開発の学習アプリです。
- 795問を全問一次ソース出典つきで収録
- 五肢複択の完全一致採点――本番と同じく部分点なしで採点します
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- 本番と同じ60問120分の模試、法改正を反映した正誤表画面
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10あわせて読みたい
出典・参考にした公式発表
- 厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」――職種別合格者数(第28回・累計)、都道府県別合格者数、第1回からの推移
- 厚生労働省「介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況等」――各回の実施状況・受験者数へのインデックス
- 東京都福祉保健財団「東京都介護支援専門員実務研修受講試験」――受験資格、対象となる相談援助業務、期間・日数の算定ルール
- 兵庫県「介護支援専門員実務研修受講試験」――受験資格の要件、受験できる者(勤務地・現住所)
- 福岡県「令和8年度介護支援専門員実務研修受講試験」――受験資格の要点、申込方法